叔父の急逝×2

私の入院中におとうさんの母親の弟が心筋梗塞で急逝した。

さっきまで元気だったのに死んでしまう、奥さんはさぞかし動転したことだろう。

話によると具合が悪いからと一人で病院へ行き、戻ったら倒れて死んでしまったのだとか。

病院でどうにかならなかったのかと悔やまれる、けれどもうどうにもしょうがない。

叔父夫婦には子供がいない、奥さんは一人でお葬式を段取りテンパッていたらしい。

その上住んでいるのが気仙沼で交通が不便な所。

お葬式には叔父の兄弟が駆けつけるところだけれど、すでにみんな年老いておとうさんが代表でお葬式に参列することになった。

7件分の香典を預かり、私の手術との兼ね合いが有ったけれどどうにかずれて車で出掛けた。

高速を使っても片道2時間半、遠かったらしい。

私もそのせいで1人で退院した。

 

その疲れも癒えぬ次の日、今度はおとうさんの父親の弟が死んでいるのが見つかったと従妹から連絡が有った。

叔父は一人暮らし奥さんは認知症で施設に入っていて、やはり子供がいないのだ。

こちらの叔父は奥さんがお葬式の采配が出来ないから困った事になってしまった。

遺体は検視を受けて警察署に有るとか、そこから従弟とどうしたものかと話になった。

電話だけでは話にならないので、昨日警察署まで行って顔を合わせて相談して。

電話では何一つ決まらなかったけれど、色々な事実が出てきた。

叔母の入所している施設を誰も知らないのだ。

叔父には妹がいた、その妹(クモ膜下出血を患い失語症)が何か聞いているのではと連絡をすると迷惑が掛かるからと施設の名前も聞いていないとか。

子供のいない年老いた叔父夫婦、いずれ死んでゆくのは分かっていたと思う。

その時にどうして欲しいのか誰も何も頼まれていなかった。

警察署に行くまではおとうさんが喪主でお葬式を出す方向だったけれど、私は子供の無い叔父夫婦はどちらかが死んだ場合お互いの財産を配偶者へ全相続すると聞いていたから念の為に叔母方の親族に相談したほうが良いのではとアドバイスしていた。

出来る事なら叔父がして欲しかったようにしてあげたい、そんなことを甥っ子みんなで考えていたけれど。

叔父の遺志、それがどんなものだったのかはもう誰も知らない。

もっとズカズカ叔父の所に踏み込んで色々聞いておけば良かったのかもしれないけれど、誰にも何も話さずに死んだのは遺志の一つなのかもしれないし。

 

結果、叔父のお葬式は認知症の叔母の妹の長男がすることになった。

けれどもっと良く聞いたらその甥は独身で子供が無いのだとか。

子供のいない叔父夫婦から独身の甥に人生のバトンが渡されて。

お葬式が執り行われることにはホッとしたけれど割り切りなさも感じられる幕引きだった。