また産直へ寄る、最近のお出掛けの定番は産直へ寄ることだ。
私は買いたいものが大体決まっているから、いつも青物コーナーへまっすぐに向かう。
ところがおとうさんは何か良い物ないかなとあちこちウロウロしている、子供みたいに。
気に入った何かがあるとすかさず寄ってきて、あれが美味しそうと耳打ちする。
今日はそれが「もって菊」だった。
もって菊とは山形名産の食用菊「もってのほか」の事、お浸しでも甘酢漬けでも生食でも美味しい有名な菊だ。
産直で菊が美味しそうと言うおとうさんも珍しいと思うけれど美味しそうに見えたんだろうね、食べたいと言うのでお買い上げしてきた。
買ってきた菊は早速がくを取って湯でることにする。
花をむしり始めると台所が花の香りに包まれる、あ~いい匂い。
雪の予報をテレビで聞き菊ももう終わりだなと思いながらお料理する。
なんて豊かな暮らしだろう。
さして高くもない終わり掛けの菊の花、その香りが台所に溢れ出す。
お金では買えない豊かな暮らしが手の中に満ちている。