新しい薬 2

足の痛みに整形外科に通院しているけれど、併せて顔の痒みで皮膚科にも通院していた。

そもそもはマスクが痒みの原因なんだけれど、今まではマスクをしないという選択肢は無くてそれならば少し痒みが抑えられればという感じで通院していたけれど。

色々な実験などから布のマスクよりも不織布のマスクの方がウイルスの遮断には有効そうでこの不織布が顔の痒さを強くして。

最近は喋らない前提なら布マスク、病院や人混みなら不織布マスクと使い分けしながら出歩いているけれど。

それでもやっぱり痒みが取れない。

 

そこで、新しい薬が出されて。

見た目は昔懐かしい赤チンみたいだけれど、中身は透明で下に白っぽい粉が沈殿している。

朝は振らずに夜は振って顔全体に塗ってくださいとの指示があった。

下に沈んでいるのは硫黄らしく、朝振らないのは顔が粉吹き芋のようにならない為らしい。

 

家に帰ってその日から早速お風呂上りに顔に塗る。

匂いがねちょっと鼻に着く、それでもすぐに気にならなくなり布団に入ったのだけれど。

布団に入ってすぐに、温泉だな!ふとそんな気がして。

いやいや今日は温泉に入っていないしと思い返して、寝返りを打ったらやっぱり温泉だ!

私の首元あたりから微かに温泉が漂ってくる・・・、なんでだろうと思って考えたら。

イオウガハイッテイルカラネ~、皮膚科の先生はそう言ったよね。

硫黄だ!温泉臭は私の顔から漂ってきていたのだった。

分かってみれば悲しいような、そんな気持ちになって眠りについた。

 

2~3日後、一応おとうさんにも硫黄だからねと言ったら。

やっぱり!なんか温泉だなと思ったとのこと。

バレてないと思ったんだけど臭かったんだね。

一緒にいるから臭いのは隠せないよ、ご迷惑掛けて御免なさいと謝ったのだった。