子供の頃、実家の庭に大きな松の木が有った。
何故か斜めに生えていて登ったりして遊んでいた。
その木が斜めを通り越して母屋の屋根に倒れてきて仕方なく切って、それで長机を6枚作った。
私が嫁いで家を建てた時、夫が長男だから人寄せが有るかもしれないと母がその長机を持ってきてくれた。
姑も舅も亡くなり伯父叔母もすっかり歳を取り我が家で大人数で集まることは無くなった。
来週は母の日、1週早いけれどその役目の終わった長机を持って母の顔を見に行ってきた。
来週はおとうさんが仕事で机を運べないから。
母へのプレゼントは安売りの帽子。
スーパーでは母の日のコーナーが出来ていてそこで選んだもの、割引券を使って買ったのだ。
歳を取ると軽くて柔らかい物が使い易い、そんな安売りの帽子を選んでみたのだ。
母は5月21日に旅行に出掛けるとか、気に入ったからそこに被っていくと言っていた。
母は元気で長机を自分で運んだりしているけれど、折角貰ったものを返品するのはどうかなと思ったりした。
あげたものなのにと思っているかもしれない。
でも元気で長生きの年寄はクヨクヨ考えたりしないから、きっとどうも思っていないだろう。